siTOOLsしゃのsiPOOLの紹介ページです。

RNA干渉(RNAi)は世界中のありとあらゆる研究施設で遺伝子機能の迅速かつ効率的な解明に利用されています。しかしながら、siRNA(short interfering RNA)を使用したRNAiでは、引き起こされるオフターゲット効果やオンターゲット効果のばらつきにより、ノックダウン効率の低下やばらつきが生じ、結果として表現型への影響がターゲットのノックダウンに一意的には結論付けられないケースも生じます。これらのケースでは、時間もリソースもかかる結果のバリデーションの実施が必要となります。

siRNAプール(siPOOL™)は、オフターゲット効果を効率的に除去し、結果の信頼性を改善することが示された (Hannus et al., 2014)長さが均一な30種類のsiRNAの高複雑性プールです。「パックハンター」(プーリング)アプローチは、表現型に影響を及ぼす閾値以下に濃度を希釈することで、個々のsiRNAのオフターゲティングに対抗します。独自の設計アルゴリズムにより、siPOOL™内のsiRNA配列も、最大の転写物被覆率、効率的なハイブリダイゼーション、パラログに対するフィルタリングのために最適化され、高効率かつ特異的な遺伝子サイレンシングを可能にします。
siPOOL™は、コードRNA、長鎖非コードRNA、選択アイソフォーム、近縁遺伝子に対しての使用が適しています。また、相乗的な遺伝子相互作用を研究するために組み合わせて適用することも可能です。(原理の詳細はこちらから

siPOOL™は創薬において、カスタムまたは既製のsiPOOL™ライブラリーを用いた標的検証や標的同定のための理想的なツールです。

siPOOL™の特徴

siPOOL™による高い特異性


ターゲット特異的に設計されたsiRNAはターゲット遺伝子のみに影響を与えなくてはなりません
HeLa細胞におけるマイクロアレイによる同一ターゲット遺伝子(緑色の点)の発現プロファイリング
単一siRNA(左):多数のオフターゲット効果がみられる(赤い点)
siPOOL™(右):オフターゲット効果が劇的に減少

siPOOL™による再現性と強力なノックダウン効率の向上


mRNAレベルのリアルタイム定量PCR測定の相関プロット(左、中央)

個々のsiRNAの配列ごとにノックダウン効率は大きく変化します。
2種類のsiPOOL™(siPOOL™1およびsiPOOL™2)による、同一遺伝子のノックダウン効率はよく似た値を示していますが(R=0.9)、単一のsiRNA2種類(siRNA1およびsiRNA2)によるノックダウン効率の値は大きくばらつきます。
このことはsiPOOL™を用いたノックダウンは再現性が高く、また幅広い遺伝子に適用可能であることを示しています。

siPOOL™の遺伝子ノックダウンの効率(右)
一般的に使用される細胞株、多くの遺伝子に対して1nM濃度で75~98%の遺伝子ノックダウン効率を達成しています。

siPOOL™表現型の信頼性


信頼できる特異的であれば、同じ遺伝子を標的とする2つの試薬は類似の表現型を示す
ヒトキナーゼsiPOOL™ライブラリーからの遺伝子当たり二つのsiPOOL™と市販のライブラリーからの遺伝子当たり三つのsiRNAを用いて36の遺伝子をスクリーニングし、A549細胞における細胞生存率を測定しました。その結果、siPOOL™のみ一貫した表現型を示しました

低い濃度での高いノックダウン効率

siPOOL™はナノモルオーダーの低い濃度でもノックダウン効果を示します。1 nMの濃度でも、大半(233の遺伝子中178の遺伝子:76%の遺伝子)が70%以上のノックダウン効率を示します。

1遺伝子に対して1種類のsiPOOL™

他のsiRNA試薬の様に対象遺伝子の確実なノックダウンのために複数の試薬を試す必要はなく、必要なものは1種類のsiPOOL™のみです。
siPOOL™を使用した論文のリストはホームページでご覧いただけます。この方法の最初の論文である、Hannus et al., 2014はsiPOOL™を用いた遺伝子機能のバリデーションの場合に引用頂く基本的な論文です。
さらなるバリデーションのためにsiPOOL™に対して抵抗性を示すレスキュー配列も提供可能です

簡単なトランスフェクション

siPOOL™は他のsiRNA試薬と同様の方法でトランスフェクションが可能であり、市場で入手可能
なほとんどの試薬を使用し、以前に確認された条件と同等の条件下でご希望の細胞株にトラン
スフェクションすることが可能です。
また、ホームページ上でも標準トランスフェクションプロトコルが提供されています。

配列情報付きのカスタムsiPOOL™作製も可能

全てのsiPOOL™のデザインはsiTOOLs社で実施されており、例えば動物種の変更、アイソフォームや転写領域の変更を含む様々なカスタマイズが可能です。全てのsiPOOL™中のsiRNAの配列はご要望があれば提供可能です。siRNAの結合サイトの図示を目的としたsiPOOL™-転写産物マップも提供可能です。

充実したサポート

遺伝子のノックダウン効率は導入効率のみでなく、対象となる遺伝子によっても変化します。
siPOOLTMのご購入後も、結果にご満足いただける様に最大限のサポートを提供致します。
実験が失敗した場合、原因究明に努めるとともに、有効な場合は再デザインも実施します。
サポートの内容はsiTOOLs社内でのノックダウン実験の実施・バリデーションやバイオインフォマティクス解析およびトランスフェクション条件の最適化にまで及びます。

アプリケーション

ターゲットバリデーション (レスキュー実験も可能)
複数遺伝子の同時ノックダウン
パラログ/アイソフォーム選択的なノックダウン
long non-coding RNAのノックダウン
RNAiスクリーニングによるターゲット同定 (ヒトキナーゼライブラリー、ヒトRNA結合タンパク質ライブラリおよびカスタムライブラリを提供可能)
疾病の原因究明 (siPOOL™ツールボックス)

仕組み

siPOOL™に用いられている技術

個々のsiRNAまたは3~4のsiRNAを含む低複雑性siRNAプールは、しばしば複数のオフターゲット遺伝子にヒットし、可変ターゲット遺伝子のノックダウンを示します。
低分子干渉RNA(siRNA)プール、siPOOL™は30のsiRNAを含む明確に高度な複雑さを持つプールであり、各siRNAはピコモル作用濃度で存在します。それにより以下の効果をもたらします
・各siRNAの標的外の特徴を希釈し、標的特異性を増加させる
・標的遺伝子を協同的にノックダウンすることで、より堅牢で信頼性の高い結果が得られる

siPOOL™製品ラインナップ

カスタムsiPOOL™

カスタムsiPOOL™は指定された遺伝子に対してカスタムでデザイン・作製された30種類のsiRNAで構成されるsiPOOLTMです。

カタログsiPOOL™

カタログsiPOOLTM製品としては、陰性対照、陽性対照、GFPターゲットsiPOOL™から構成されるコントロール用siPOOL™と、がんツールボックス、キナーゼライブラリ、RNA結合タンパク質ライブラリ構成siPOOL™から30種類以上をご選択頂くバルクsiPOOL™がラインナップされています。

siPOOL™がんツールボックス

siPOOL™がんツールボックスは100種類の良く知られたがん関連遺伝子に対するsiPOOL™から、目的に合わせてご選択頂ける製品です。この100種類の遺伝子は、がんに関連するパスウェイ中でカギとなる機能を保有する遺伝子です。100種類の中には、46種類のがん遺伝子およびがん抑制遺伝子とDNA修復や免疫応答および細胞周期制御等の様々なプロセスに関係する遺伝子が含まれています。

siPOOL™キナーゼライブラリ

siPOOL™ヒトキナーゼライブラリは505種類の良く知られたタンパク質キナーゼに対するsiPOOL™のライブラリです。

siPOOL™RNA結合タンパク質ライブラリ

siPOOL™ヒトRNA結合タンパク質ライブラリは666種類の良く知られたRNA結合タンパク質に対するsiPOOL™のライブラリです。

siPOOL™抵抗性レスキュー配列/プラスミド

siPOOL™による機能の喪失(ノックダウン)がターゲット遺伝子特異的であることを確認するため、siPOOL™抵抗性配列(レスキュー配列)を提供しております。プラスミドによってこの配列が発現されると、機能の喪失が回復します。

siRNA関連サービス

siTOOLs社では、現在までに蓄積したsiRNAおよびセルベースの実験に関する知識と経験を活用し、
サービスとして、お客様の試験の受託や、プロジェクトのサポート提供しております。
サービスとしては以下のような内容が可能です。
・RNAiのオフターゲット効果測定(遺伝子交差反応性チェック)
・種間でのRNAiの交差反応性試験
・RNAiスクリーニング
・RNAiの用量最適化
・トランスフェクション条件最適化
・RNAi実験データの再解釈
・RNAi実験結果のバリデーション

関連する製品とサービス一覧